姫路市整体鍼灸院HOME < 手技療法 < 仙腸関節検査

仙腸関節の動的検査方法について

仙骨と左右の寛骨で構成されている仙腸関節は骨盤帯にあります。

仙骨および寛骨は体の動きに応じた様々な働きをします。
そのため、手技ではその動きを見極める検査が大切です。

上前腸骨棘、上後腸骨棘、坐骨結節の動的及び静的位置関係や、下肢の自動及び他動機能検査、関節閉鎖位での挙上力や、各筋肉の緊張状態など多様な検査項目があります。

その他にも神経学的テストや姿勢、歩行、股関節、腰椎なども検査していきます。

それらから、仙骨或いは寛骨がどの方向に変移し、可動性の増大や減少が生じているかを識別していき手技を施ます。

必須項目にある、上前腸骨棘、上後腸骨棘や坐骨結節など体幹の屈強・中間・伸展位での評価、背臥位や腹臥位で付着する靱帯や筋肉の緊張状態なども考慮していきます。

上後腸骨棘の内側にある仙骨部を触診して、寛骨に前方及び後方の回旋を加えていき、仙骨の下後方すべり運動や、前上方すべり運動の質や変化を評価していきます。

その他、安定性テストで前後・上下方向の抵抗能力を左右比較 して評価していきます。

こられのテストから仙骨ならびに寛骨の状態を判定し5つのパターンを見分けます。
1.寛骨の上方、前方回旋
2.寛骨の後方回旋
3.寛骨の下方移動
4.寛骨の後方回旋、前方回旋
5.仙骨の前方、後方並進など

それに応じた矯正の手技を加えていくわけであります。

矯正法は寛骨もしくは仙骨に対してを加えていきます。

基本的には高速度-低振幅の手技であり、 カイロの方法と原理は似ていますが方法は異なります。

体幹の前屈

体を前に曲げると骨盤帯の後方移動が生じます。
丁度、お尻を突き出すような動作で、これは前屈により重心が後に移動するためです。
左右の寛骨は大腿骨上で前方に回旋し同時に動きます。
腰椎は上方から下方の順で前屈し、最後に5番腰椎が曲がり仙骨上を前方へ移動します。

左右の寛骨は僅かな回旋が生じます。
仙骨は前屈時に60度位までうなずきが生じます。
筋・靱帯が伸展(伸びる)しきると仙骨のうなずきは減少しますが、左右の寛骨はそのまま大腿骨上を前方に回旋します。

仙骨のうなずきが限界に達すると、今度はおきあがりが生じます。

この動きをコントロールし安定化させる筋肉には、脊柱起立筋、多裂筋、大殿筋、股関節伸筋 などです。

それに股関節の内旋筋、内転筋、外転筋などが加わり動きを制御します。

体幹の後屈

体を後に反らしていくと骨盤帯は前方に移動します。

つまり後屈により重心は前に移動します。
この時、左右の寛骨は同時に大腿骨上を伸展し、仙骨はうなすきが生じます。

この動きをコントロールする筋肉は腹筋、大腿四頭筋、腸腰筋などで、股関節の回旋、内転、外旋筋群により安定化されます。

安定的な運動には、単に関節運動だけでなく、それを補強する筋・靱帯が重要です。

歩行時

右足が屈曲(前に出す)すると右側の寛骨は後方へ移動し、仙骨は右へ回旋します。

右足を伸展(後に上げる)すると右の寛骨は前方へ移動し 、左の寛骨は後方へ移動します。

仙骨は左に回旋し、右側の仙骨は関節面に対しておきあがりが、反対側では仙骨のうなずきが生じます。