東洋医学の理論にもとつく鍼灸手法
全国的に見ても腰の痛みを得意にしている東洋医学の鍼灸ベースにした施術所は数多くあります
実際、腰痛を施術科目に掲げていないところはないと言えるほど、典型的な適応疾患であるとも言えます。
また、その勉強会なども幅広く主催されておりますので、各々の術者が様々な手法で施術にあたれています。
一口に東洋医学の鍼といってもその種類や方法に違いがあります。
一般的な手法から中国製の太い鍼を使用する所や、経絡を重視した方法まで様々です。
一般的な腰痛治療法
最も頻度が高い急性の起こる腰痛について説明します。
これは、急激な体の捻転や重量物なども持ち上げ、またスポーツや登山など日常生活 において頻繁に使われない筋肉などを酷使することにより生じます。
急性症状は適応疾患であると考えられます。
通常、何もしなくても1ヶ月 程度で痛みは徐々に緩和していきますが、鍼灸を用いることにより自然治癒力を高めます。
臀部や、その周辺のツボまたは圧痛部位へ刺鍼します。痛みを感じる部位が骨盤の上部のほうであるのが特徴で、その周辺に刺鍼します。
通常、1寸3分(4cm)3番や一寸6分(5cm)3番、または、低周波パルスをもちいて鍼通電施術する場合もあります。
鍼の太さは治療にあたる施術者 や、施術所の方針などによって違います。
いわゆるギックリ腰では、圧痛のある椎間関節へダイレクトに刺入します。
中医学による施術方法
変形性脊椎症・椎間関節症・椎間板ヘルニアなど複合的なものなどでは、骨盤近辺や臀部など広範囲の圧痛や下肢の痺れや突っ張りなど多様であります。
これらも多くの施術所において適応科目でありますが、中医学をベースにする鍼灸術者が最も得意にしている分野です。
臀部や骨盤周辺の筋層は分厚く日本製の物だと痛みのポイントまで刺入出来ない場合が多いので、必然的に太い中国製鍼を使用出来る術者が多数を占めます。
中には中医学による坐骨神経痛専門にしている術者もいますが、日本製の物と違い刺入時や抜針後に 違和感や痛みが比べもにならないくらい残る事がありますので、刺激が苦手な人には不向きです。
臀部や下位腰部は筋層も厚く、女性や痩せ型のタイプですと1寸6分 などでも使用出来ないことはないのですが、安全性などを考慮すれば短く細い鍼を使用するより、長い目の2寸や3寸の中国製で施術にあたるほうが無難です
細い手だと鍼先の感触が手指に伝わりにくく、臀部などでは問題ありませんが、腰部は臓器も存在し、また、折鍼などのリスクもあります。
坐骨神経痛においては下肢から腰部へ低周波パルスなどもあります。
患者さんの多くが臀部も痛みを感じる事が多く、中臀筋や大臀筋、小臀筋などの筋緊張や張りが生じているのが特徴です。
従来より腰椎移行部における神経からの痛みや、腰椎4番~5番におけるヘルニアや椎間関節症においてもこれらの部位に痛み突っ張りに違和感を生じと考えられてます。
また、圧迫骨折後も放散痛を生じる場合もあります。
臀部深部には坐骨神経が通って いますので、中医学では坐骨神経痛を直接狙ってする方法もあります。
特殊な方法(大腰筋刺鍼)
腰椎から股関節小転子に付着している強力な屈筋(足を前にだす)である大腰筋を狙う方法です。
大殿筋の刺鍼は、角度や場所などが重要となりますので、 これを得意としている中医学を専門としている術者に施してもらうの得策です
長い 2寸(6cm)でも達しないことはないのですが、体型のある患者さんでは不可能ですので3寸(9cm)かそれ以上の物が使用されます。
気の流れをよむ方法
主訴とする痛みの部位でなく遠隔(手先や足先など)のツボを使用するのが経絡治療です。
気の流れの道であるツボは全身に数多くありますので 気の流れを読み遠隔から効果をあげる方法です。通常は脈診により気の流れを判別します。