腰痛に効果的なAKA関節療法

普段の生活で腰の痛みや膝関節・股関節の痛みなどでお困りでない限り、AKA(関節運動的アプローチ)は始めて耳にする名前だと思います。

しかし、様々な痛みに対して、その効果が高く評価されています。

基本的な考え方について

まず関節運動学では関節包運動を構成運動と副運動にわけて考えます。

副運動は歩いたりやスポーツなどしている際は起こらないもの考えます。

完全に力を抜いた状態で他者が動かすことで確認できます。

他動的にのみ動かせる運動を関節ニュートラルや関節の遊びとも言います。

構成運動には滑り、転がり、軸回旋 の三つがあります。

滑り運動は関節面の接触部のうち一方が移動し他方は一定で滑る運動です。

転がり運動は接触している関節の両面が常に移動して変化する運動です。

軸回旋運動は関節面の一点が移動せずに接触を保つた状態で、その周りを回旋する運動です。

凹凸の考え

通常、骨運動に伴う関節面は一方が凹面で、もう一方が凸面であります。

凸面側の関節が固定され、凹面側である骨が移動する時には、関節面は骨の運動方向と同じ方向に滑り、凹面が固定され、凸面が骨が移動する時には関節面は骨の運動と逆方向に滑ります。

仙腸関節の捻挫が主な要因で痛みを起します

腰痛や膝痛・股関節痛など、関節包内外に関節機能異常が発生するためには、AKAでは一定の条件で外力が加わると考えられています。

この好発部位は仙腸関節です。

この関節は強靭な靱帯で補強され動きも僅かであり、何らかの障害・ねじれなどが起こると非対称運動が起こります。

非対称運動は関節の引っかかりが生じていることで、正常な運動が制限され痛みを引き起こすと考えられています。

一般的な呼称であるギックリ腰は、骨盤のねじれ、いわゆる仙腸関節捻挫であります。

付着する靱帯などを一度大きく損傷すると以降は比較的小さな衝撃や外力でもぎっくり腰が再発すると考えられています。

加齢に伴い靱帯の弾力性や遊びの減少などでも捻挫は発生しやすくなります。

この関節における機能異常は痛みを主訴とし可動域の制限や、感覚障害、筋の緊張、コリはどの症状を有します。

その他 しびれ感・冷感・筋力低下・皮膚の硬化・かすみ目・耳鳴りなど多様であるされます。

手技の詳細はAKAによる仙腸関節の手技療法において解説しています。

禁忌の疾患など

骨折や腫瘍、骨肉種、化膿性や非化膿性関節炎など、それ以外は可能です。

禁忌となるリハビリは、牽引と運動療法であります。腰痛など関機能異常を引き起こしている患者さんに対して腰椎牽引と腰痛体操は殆んど全ての腰痛患者に治療効果なく無益であるばかりではなく、逆に腰痛や関節機能異常を増大させる可能性も示唆されています。

関節運動的アプローチ(医歯薬出版社)参照

歴史

元国立大阪南病院の博田節夫医師が関節運動学的アプローチの研究に取り組んだのが最初です。

滑膜関節に限定し、関節包内運動を改善する事を目的で独自の研究や修正を加えて完成したのが関節運動的アプローチであります。

特に関節包内運動の機能に注目し椎間関節由来の痛みであると思われるものも、実際は関節包内運動の機能障害で生じていると考えられています。

特に仙腸関節を治療すれば大半の腰痛は消失すると考えられています。

現在では、正式名をAKA博田法と名付けられ、学会に所属する医師を中心に関節運動的アプローチ取り入れ、腰痛や変形性の関節症など治療にあたられています。

全国的にみてもそれほど多くはありませんが、兵庫県内にも数箇所存在します。

医師による手技を希望される場合には予約が必要ですが、医院によっては、数ヶ月待ちの所も実際に存在しますので、早い目に予約が必要と思われます。

今現在、仙腸関節に注目し手技を取り入れている臨床家や治療家は多くありますが、AKA博田法の名称は学会から認定された医師らが使用出来る名称であって、仙骨から同様な手技を行っている施術家は、この名称を名乗ることは出来ないため、固有の名称で施術にあたっています。