姫路市整体鍼灸院HOME < 現代医学の対処< なぜ腰痛になるか?

なぜ人は腰痛を起こすのか?

いったい腰の痛みはどうして起こるのでしょうか。
その原因は様々ですが、現在の医学における考え方についみていきましょう。

脊髄神経圧迫説

主な原因説として脊髄神経の圧迫があげられます。

ではいったどうなると、痛みを引き起こすのでしょうか。

腰の神経も脊髄神経の一部ですが、全体は頚部からお尻にいたるまで連なり、脊髄の前からは前根と呼ばれる運動神経が、後からは後根と呼ばれる感覚神経が脊髄神経節で枝分かれしています。

頚部で5本、胸部で12本、腰部で5本、仙部で5本、尾部から1本 出ています。
もちろん左右対称に存在し椎間孔という通り道を抜けて出て行きます。

脊髄から出る神経が椎間孔から外に出て行く過程で障害を受けると、その神経が支配している腰や足の領域がシビレたり感覚鈍磨が生じたりします。

一般的には感覚神経は運動神経よりも圧迫などによる障害を受けやすいと言はれているために、筋力は衰えていなくても、その障害により容易に感覚異常や痛みが先に出現します

痛みを感知するセンサーの役割を果しているのが自由神経終末と呼ばれるものです。

自由神経終末で受けた刺激が感覚神経を通じて脊髄後根から入力され脳へ伝わり痛みを自覚します。

後根が入る脊髄神経節と呼ばれる膨らんだ部分も刺激や障害により痛み感じると言はれています。

脊髄神経のしくみ

前根は体の動きをつかさどる神経が出ています。

後根は知覚・感覚をつかさどる神経がそれぞれ出ています。

後根の枝は椎間関節や靱帯にも分布しており、また近接する後靱帯や硬膜、椎間板の線維輪の外側にまで痛みを感知する枝のセンサーは張り巡らされていますので、筋肉だけではなく、靱帯や関節などの圧迫、損傷、炎症などを伝えます。

足の感覚異常は脊髄神経の障害でも生じます。

椎間関節の退行説

もう一つの原因説として椎間関節があげられます。

椎間関節とはどう言うものなのか、どうなると痛みを引き起こすのでしょうか

椎間関節は下関節突起と、その下の上関節突起で構成されています。

脊柱の動きである前屈、後屈、側屈、回旋とそれらの組み合わせによる複合的な動きをする椎骨を受け持ち(脊柱にかかる約30%)お辞儀やそりかえしの動作時に腰椎が前後にすべりだす力を制御します。

老化による椎間板の炎症

椎間板の老化による圧迫以外にも常に負荷がかかっており、容易に炎症をおこしやすく、それが腰の痛みとしてあらわれるのではないかと考えられています。
また、椎間関節だけでなく背中には多くの筋肉が存在し、筋疲労や冷えなどにより疲労物質である乳酸の蓄積や血流障害などの炎症により引き起こされるのではないかとも考えられています。

椎間板ヘルニアの脱出

一度は耳にされたことがる代表的な病気に椎間板ヘルニアがあります。

椎間板にも、痛みを感知するセンサーが備わっていますが、このセンサーは外側だけで、内側や髄核と呼ばれる中心部分には存在していません。

したがって単に老化や、中身である髄核が飛び出したりしただけでは痛みは生じません。

坐骨神経痛はヘルニアが神経を圧迫する事により発生すると考えられています。

神経の圧迫だけでは痛みは起こらないことは、カナダのマックナブ氏の実験で圧迫されたヘルニアにより炎症の起きている神経根をカテーテルで膨らます処置をすれば坐骨神経痛が発症するが、神経根が正常な場合にはヘルニアによる坐骨神経痛は発症せずに感覚鈍磨のみおこるとしています。

つまり、単にヘルニアによる圧迫だけでは痛みはおこらないことやヘルニアの大小だけでは原因とはならないのです。

痛みを感知する神経は、関節や椎間板の繊維輪の外側、靱帯などにも存在します。
また、椎間板組織に含まれる酵素も 痛みの受容器を興奮させる作用がありますので脱出したヘルニアがその炎症源となりうる可能性も示唆されます。

このように、発生には様々な要因が加味されているのですが、まだまだ未解明な部分も数多く残っているのが実情です。

その他

近年では、誘因としに心の問題も囁かれています。

心の問題は精神的心理的要因をたぶんに含んでいるのではないかと推測されています。

その他では職業(製造業現場や運輸交通業、工事現場)や妊娠や分娩などの経験がある女性はその発生率は高く、遺伝や喫煙なども要因となるうる見解も存在します。

但しその因果関係はまだまだ未解明な部分もあります。