整形外科で行われる保存療法とは
腰の痛みに対しで整形外科ではリハビリトレーニングが基本です。
どのような種類があるのか解説していきます。
主なものには、装具・牽引・温熱・電気刺激・運動療法など種類があります。
それぞれの種類についてみていきましょう。
装具(コルセット)
コルセットには様々なものが存在し、市販でもかなり品揃えがあるようですが、自身の疾患や体型に応じたものを整形外科等において作ってもらうのがベストです。
コルセットをしている間は筋緊張を生じている部位の動きが抑制されますので、痛みはやわらぐのですが、逆に慣れるまで動きが制限されてしまいます。
近年では布や薄いプラスチック製コルセットのもが多く、通気性も改良されてきています。
夏場はどうしても暑さで我慢できなくプラスチック製コルセットを取り外してしまっている患者さんが多いのも事実です。
また、腹筋を助け、背筋の活動を抑えるため必要以上に頼りすぎると筋力を弱めてしまいますので、出来るだけコルセットは短期間にとどめるような努力も必要です。
腰部牽引療法
整形において代表的なリハビリ機器の一つに牽引療法があります。
これは体重の3分の1程度の強さで、10分~20分程度、腰の牽引を行います。
緊張している腰や背筋の牽引にはマッサージ効果もあるため、気持ちがいいと感じる患者さんが多いようです。
なかには牽引で腰痛が悪化する例もまれにあるため注意が必要です。
牽引自体に対する効果は懐疑的な面も否めませんので、継続しても改善されない、逆に悪化しているように感じれば、速やかに医師または、リハビリ担当者に相談しましょう。
温熱療法
温熱療法は、患部を温めることにより血行を改善して代謝を促すために用いられます。
一般的に急性期の痛みでは冷やすことにより炎症を抑制しますが、慢性期になると逆に血流の低下を生じますので温める事により血流改善を行い代謝を活性化させます。
赤外線・マイクロウエーブ
赤外線やマイクロウエーブは10分~20分程度、患部に照射しる事で血流改善や筋弛緩効果を得られます。
ホットパック
ホットパックは温熱で温めたパックを袋とタオルで包んで腰など患部に直接あてます。
但し、ホットパックも継続しておこなわないと血流改善や筋弛緩効果がありませんので、自宅でお風呂や銭湯などぬるま湯でゆっくりつかるのも手軽に行える温熱療法と言えます。
電気刺激療法
筋緊張の生じている筋肉、それらを支配している神経に電気刺激を与えます。
電気刺激は筋緊張を緩和し痛みを感じる神経の興奮を抑制するのではないかとされています。
各種電気刺激法がありますが、主なものは低周波電気刺激、干渉波、高価なものだとSSPなどがあります。
これらを10分~ 20分程度、痛みの程度に応じて電気刺激の強弱を決めて刺激していきます。
電気刺激で患者さんに評判がいのが干渉波です。
干渉波で刺激されている間は気持ちがいいと言はれる方が多いですが、個人差もあり干渉波だけでは根本的な治療にならないのも実情でもあります。
ストレッチ体操
運動療法には各種のストレッチや体操などがあります。腰痛体操と呼ばれるものもその一つで、腹筋、背筋などの強化や柔軟性を高めるのが原理です。
腰痛体操も腰の痛を感じている患者さんに不用意に運動させると悪化しかねませんので、病態に応じた方法を選ぶ必要があります。
基本的にはこれら各種のストレッチや体操は予防に適していますので、腰痛を発症してからではなく自宅や職場などで普段から取り入れる必要があるかと思います。
頻繁に腰痛になる人は背筋、腹筋、臀部(おしり)の筋肉、下肢の筋肉を鍛えておく必要がありますので、腰痛体操で毎日一定 時間、負担が生じない程度で継続していきましょう。